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” 障碍者を戦力に ”

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障がい者を戦力化することは会社の責任だと思っています。。。



障害者を企業の戦力に~


 昨年度から障害者の法定雇用率が引き上げられた。それまでは常用労働者の1.8%以上に相当する人数の障害者雇用が義務付けられていたが、昨年度からは2%以上となった。
また「障害者雇用納付金制度」の対象となる民間企業も、来年度以降、現在の労働者数200人超から100人超に拡大される。
 加えて、「本年、障害者の差別を禁止し尊厳の尊重を促進する目的の『障害者の権利に関する条約』を、日本も批准しました。
今や、障害者に労働の機会を提供することは、社会的な存在である企業の義務になっています。
これまで対象外だった中小の事業主も、本気で取り組まなくてはいけない状況になりました」。
そう九州看護福祉大学の吉光清教授が話す。
 「法定雇用率が達成できないなら、納付金を払えばいいだろう」では、済まされない。企業の自覚が求められる時代になったといえる。


来年から順次改正される障害者雇用制度

1.平成27年4月から納付金制度の対象が拡大。翌28年4月より申告申請開始

平成27年4月から、常時雇用している労働者数が100人を越える中小企業事業主も「障害者雇用納付金」の申告が必要に。
障害者の法定雇用率を
下回る場合:納付金の納付が必要となる。
上回る場合:調整金の支給申請ができる。


常時雇用している労働者数
200人超→100人超に
2.障害者雇用の促進等に関する法律の一部が改正、平成28年4月から施行

●障害者に対する差別の禁止
例)不当に低い賃金、車椅子の利用を理由にした採用の拒否等

●合理的配慮の提供義務
例)知的障害者へ口頭だけでなく分かりやすい文書・絵図を用いて説明すること等
3.法定雇用率の算定基礎に精神障害者を加え、 平成30年4月から施行
平成30年4月より精神障害者の雇用が義務付けられるように。施行後5年間に限り、精神障害者を法定雇用率の算定基礎に加えることに伴う法定雇用率の引き上げ分について、本来の計算式で算定した率よりも低くすることが可能。
支援期間との連携で、負担を軽減

 「障害者雇用は果たさなければならない義務に留まらず、企業にメリットを生み出すことにも繋がります」。吉光教授は強調する。
 「今、地方では若者層の都市部への流出が増え続け、特定領域での労働力不足が問題になっていますが、障害者雇用はそれを補うことができます。
障害者の人々は地域に密着して存在しています。人手不足感の強い中小企業にとっても、労働の安定的な担い手として大いに期待できるのです」
 そもそも障害者雇用の実現・拡大には企業トップの強い意志とリーダーシップが不可欠だ。
それに加えて、障害者を新しく職場に受け入れ、雇用を安定させるには、社員への研修・教育や雇用しようとする障害者の能力開発、指導体制の構築が必要になる。
また、障害者が働きやすいような設備や制度の改善を行うには様々な困難が伴う。
人的にも経済的にも余裕のある大企業が体制を整え、障害者雇用を拡大してきたが、中小企業はそう簡単にはいかなかった。
実際、企業規模別に実雇用率の推移を見ると従業員数の少ない企業(特に「56~100人未満」、「100~300人未満」)において、法定雇用率の達成が十分に進めることができなかったことが窺われる。とりわけ、障害者雇用のノウハウに関する情報が入りにくく、サービス機関も都会ほど多くない地方都市の中小企業がより厳しい困難に直面してきたことは想像に難くない。
 障害者雇用の一層の拡大が迫られている現在においても、「障害者に本当に仕事を任せられるのか」という素朴な疑問を抱く経営者が多いかも知れない。
 それに対し、吉光教授は「能力を伸ばせる適切な環境と働く機会が与えられなかったことで、能力を発揮できないまま『能力がない』と見なされていることが多い。障害者に働く力とコツを身に付ける機会を作り、1人ひとりの特徴に合わせた働く環境を配慮すれば、頼もしい戦力となり得ることを理解してほしい」と語る。

 「しかし、そういった機会の提供、働く環境への配慮、支援体制の構築を、自社内の人的資源やノウハウでやらなければならないと考える必要は決してありません。
地域には『障害者職業センター』や『障害者就業・生活支援センター』があり、特別支援学校や障害者福祉サービス事業所とのネットワークがあります。
それらの支援機関と連携し、障害者雇用促進に関する助成制度を利用しながら進めれば、中小企業もそれほど大きな負担を感じなくて済むはずです」



九州看護福祉大学社会福祉学科教授
吉光 清氏
国立職業リハビリテーションセンター主任研究員、高齢・障害者雇用支援機構障害者職業総合センター主任研究員などを経て平成17年より現職。

従業員1000人以上の企業の達成率に比べて、 56~100人未満、100~300人未満の企業は実雇用率が 低い(出所:平成25年 障害者雇用状況の集計結果(厚生労働省))
社内の一体感の醸成・企業マインドの向上も
 障害者雇用が結果として、労働力の安定化という実益を生むことが期待できる。しかし、「メリットは他にもあります」と、吉光教授は続ける。

 「障害者を職場に迎えたことで、社員同士が協力する態勢になり、コミュニケーションが密になった、やさしい雰囲気が出てきて社内に一体感が生まれた、という話をよく聞きます。さらに、法定雇用率を達成して、社会的な責任を果たしている自社に対して社員が誇りを抱くようになり、仕事に張り合いを持ち企業マインドが向上した、という声もあります。障害者のためにフレックス制を導入したところ、それが他の社員にも適用されるようになり、結果的に社員全員が働きやすくなり業績も上がった、という例もあります。いずれも副次的ではあるものの、企業価値の向上にも役立っているといえます」

実際に障害者と共に働くことで分かることは多い。まずは各地域の障害者就労支援機関と連携をとり、 正しく理解することが重要だ。(出所:独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構)
 障害者が働きやすい職場は、誰にとっても働きやすく、誇りを抱ける職場だということだろう。
「中小企業は、従業員同士の距離が近いという、大企業にはない長所がある。だからこそ、障害者の持ち味を存分に引き出すことができるし、前述のようなメリットを実感しやすいといえますね」(吉光教授)




障害者は雇いたいけど 苦悩する企業の現場


障害者の雇用を進めてきた、大阪の運輸会社です。
仕事は資材の運送や港での積み降ろしなど高い専門技術が必要ですが、ここ数年、退職者が相次ぎ人手が不足しています。

そんな中、3年前に雇用されたのがこちらの60代の男性。
心臓に人工の弁を入れている障害者です。
一度出血すると血が止まりにくいため、危険な場所での作業は別の人に変えるなど、受け持たせる仕事を配慮しています。


男性
「みんな協力してくれていますので。
ちょっと危なそうなところは手助けしてもらって。」

さらに、この会社では入社してから障害者になった従業員も雇用し続けています。
かつてフォークリフトを運転していた30代の男性。
1年半前に脳出血で倒れ、右半身にまひが残りました。
会社に残りたいという本人の希望をくんで、運転手の健康状態をチェックするデスク業務に就いてもらっています。
こうした取り組みで、この会社は現在8人の障害者を雇っています。
しかし、一昨年(2013年)引き上げられた法定雇用率を満たすには、あと2人雇わなければなりません。

この日、この会社の社長は中小企業家同友会の障害者雇用の担当者と話し合いを持ちました。
すでに業務の配慮や新たな仕事の切り出しなどできることはしてきた中で、これ以上雇うのは難しい状況だといいます。

運輸会社 社長
「頭では理解できんねんけど、実際となると現場もね。」

中小企業家同友会 障害者雇用担当者
「まず一人から始めてみませんか、割と軽度な子で。」

障害者雇用の担当者から薦められたのは、知的障害者。
しかし、すでに3年前、知的障害者の女性を事務所の清掃係として雇っており、仕事の切り出しはできない状況でした。
法定雇用率を満たしていない現状が続けば納付金を支払わなければならず、社長は頭を抱えています。

運輸会社 社長
「戦力になるんであれば、別に障害者の方でもかまわない。
ただそこがですね、事業部長に対して業績を厳しくシビアに言いますので、となると事業部長も余分には雇えませんし。」

“できること”に着目 発想転換で業績UP


障害者を雇いたいけど雇えない。
中小企業の多くがジレンマを抱える中、僅か1年で雇用率およそ8%を達成した企業グループがあります。
ここでは小魚を中心に水産物の卸や加工を行っています。
去年(2014年)ハローワークに求人を出し、精神障害のある人や知的障害者を中心に7人雇いました。
月給は13万円を保障しています。

カタオカグループ カタオカ 常務取締役 片岡彰一郎さん
「頑張ろうぜ。」

7人が担当しているのは、原料の小魚に混じるごみや異物を取り除く業務です。
高い集中力と根気が求められています。

より分けるのは、釣り糸や針などの危険物や、フグやイカ。
そのほか選別しなければいけない異物は数十種類に及びます。

「この魚はそんなに取らなくていい。
気にしなくていいから。」

入社当初は、こうした選別の要領をいくら教えても覚えてもらえませんでした。
知的障害のある人にとって、ことばだけで理解することは難しかったからです。

カタオカグループ カタオカ 常務取締役 片岡彰一郎さん
「何で出来ないんだろう、何で出来ないんだろうという壁にぶつかっていた。
教えていたつもりだったというんでしょうか。」

悩んだ末、取り組んだのが環境整備。
今まで口伝えで教えてきた作業を徹底的に可視化しました。
例えばこれは、選別する異物を写真と名前で示したもの。
繰り返し確認することで、今ではほとんど理解しているといいます。

「フグはどれ?」

「フグだったらこれです。」

「おお、フグそれ。
貝殻は?」

「貝殻はこれです。」

「プラスチックはどれ?」

「プラスチックはこれです。
この形で分かります。」

「字は分からない?」

「分からない。
写真で全部覚えて取っています。」

知的障害者が理解できるようにちょっとした配慮をしたことで、当初と比べて作業効率はおよそ5倍高まりました。
さらにこの会社では障害者一人一人の特性を見抜き、長所を伸ばす工夫を行っています。

この男性は異物を見抜く能力が抜群に高く、集中すれば質の高い仕事をこなします。
ただし、その集中力にむらがあり、一定の速度で流れ続けるベルトコンベヤーのラインでは能力を発揮できませんでした。
そこで、自分で流れを止めたり動かしたりできる機械での作業に配置したところ、高い質を維持しながら効率よく仕事ができるようになりました。
こうした障害者のために始まった環境整備は、今ではグループ会社全体に広がっています。

これは一日の作業工程を時間の流れに沿って表したものです。
左側はその日の予定。
右側には実際の作業の進捗状況をマグネットで貼っていく仕組みになっています。
どこの工程が予定より遅れているのか。
社員みんなが把握できることで、スムーズなフォローアップができるようになったといいます。
こうした改善によって、工場全体の稼働率は改善前のおよそ1.2倍に上がりました。

カタオカグループ カタオカ 常務取締役 片岡彰一郎さん
「自分たちで考えて、自分たちで改善する能力が非常に高まった。
もっともっと出来ると信じていますし、まだまだそういった(障害者)雇用を増やして前を向いていきたいと思っている。」


あらゆる人材を戦力に 変わる雇用の現場

ゲスト眞保智子さん(法政大学教授)
●多くの障害者を雇い入れ、稼働率を1.2倍に上げられるのは理想の形では?

そうですね。
いよいよ、中小企業も本気になって、障害者雇用に取り組むようになってきたんだなというふうに思っています。
すごく工夫がされていたと思います。
おじゃこの会社は、確かに障害者の方たちがいろいろその特性を生かして頑張っていらっしゃいましたけど、大前提として、あの仕事が大変意義がある仕事であると、つまり今の時代の要請に合ってるということですね。
今、給食などでも、カニやもしエビなどがおじゃこに混じっていたら、その食材が使えなくなってしまいますので、アレルギーの問題等ですね、ですのでこの仕事はある意味、お子さんの命にも関わるような大切な仕事なんだということをきちんと説明して、それによって目標を設定をしたり、それから先ほど少し写真が出ていましたけれども、この写真に出ている異物の種類を覚えたりですとか、そうしたことの努力をなさるモチベーションになってるというふうに思いました。

●障害者の雇用を増やせといわれたとき、中小企業がまず思うこととは?

やはり経済状況はいつも厳しいでしょうから、まずやっぱり自分の所には障害者の方を雇用できるような仕事はないんだと、雇いたいけれどもちょっとうちには仕事がないんだというようなことをお考えになる方が多いでしょうと思いますけれども。
(なぜそういうふうに思われる?)
恐らく先ほどのおじゃこの会社でも分かるように、あのおじゃこの会社も、例えば、写真で異物を見える化するですとか、あるいは工程を誰でも分かるようにマグネットで進捗状況を示すですとか、そうした工夫をしなければ、ああいった効率が上がるようなことはなかったと思うんですね。
つまり、だから今の工程のままで仕事を見ていると、どうしてもうちの会社にはできないんではないか、この仕事じゃあできないな、あの仕事ではできないなと、やっぱりできないことに注目してしまうということがあると思うんですね。
でも大切なのは、あのおじゃこの会社の例でも出ましたように、できることに注目するということが大切だというふうに思っています。

●障害者はいろんな特性を持っている?

そうだと思います。
あの男性の場合は、その前にあちらに移動する前に、高い品質の見極め力があるということをマネージャーの方が見極めて、ただその高い見極め力が、時々ちょっとぶれることがあると。
1人の職場でコンベヤーの速度を変えて、恐らくたぶん重要なところはじっくり見たいんだと思うんですね。
そういうようなことができるような工程に変える、1人職場に変える、そうしたことで高い生産性を出せる仕事に就けた、そういう仕事を作り出せたということだと思うんですね。



“中間就労”で雇用促進 あらゆる人材を戦力に

愛媛県・新居浜市。
総菜の製造・販売を行っている企業です。
この会社は、四国や九州を中心に、70店舗をチェーン展開。
味にうるさい女性客らから人気を得ています。
特に好評なのが、揚げ物です。

女性
「(揚げ物は)便利です。
もうこの時期、暑いので助かります。」

この揚げ物の成形と衣付けを行っているのが、知的障害者たちです。

「何をやっているんですか?」

「伊予牛コロッケの成形です。」

ここで働く17人は、この企業で働いているのではありません。
この企業が特別に設立した別会社で雇用されているのです。

これは、この会社が利用している制度を簡略に表したものです。
この会社では国の福祉制度である就労継続支援A型事業所と呼ばれるものを設立しています。
一般就労が難しい障害者が、職業能力を身につけるために訓練を行う雇用の場です。

職業指導員などの配置基準を満たせば、国と自治体から雇用人数に応じて訓練費などが支給されます。
障害者の平均賃金は月7万円。
この総菜製造販売会社が設立したA型事業所では、月10万円を支払っています。
さらにこの会社では能力を蓄積した障害者を社員として雇用しています。
A型の制度はコストを抑えて人材を育成し、雇用に結び付けることができるのです。


クック・チャム 社長 藤田敏子さん
「うちには必要不可欠、重要です。
レベルが上がったら社員にして、やっぱりその人なりのプロフェッショナルになってもらいたいなと思います。」

A型の制度を利用することで、会社は収益も上げています。
衣付けなど手間のかかる作業を分業化した結果、揚げ物の売り上げはおよそ5倍に伸びました。

さらに2年前から、A型の制度を利用して事業の多角化に乗り出しています。
北海道で16人の障害者に働いてもらい、ジャガイモやゴボウといった総菜の材料を生産し始めたのです。
国の制度を利用しながら障害者の人材育成と会社の業績を伸ばしてきた、この会社。

実は4年前から障害者雇用を進めてきた別の企業の人から、アドバイスを受けてきました。
且田久美さん。
企業経営にも障害者にも精通しています。
これまで40社以上に障害者雇用のノウハウを提供してきました。

エフピコグループ ダックス四国
障がい者雇用責任者 且田久美さん
「いろいろね、女性活用、高齢者活用、ニート活用、引きこもり活用ってありますけど、今のところ一番、障害者を活用するところが着目度は高い。」

「特別扱いしない」 責任感育んで業績UP。且田さんが勤めているのは、食品トレー業界トップの企業グループです。
障害者雇用率は16%。
300人以上を雇用しています。
且田さんはその採用担当者なのです。
障害者雇用で大切なことは、一人一人に企業の核となる事業に携わらせ、責任感を育むことだといいます。
そのために、シビアな数値目標を設定しています。

さらに、定期的に面談を繰り返して目標の達成状況を確認。
昇給の基準にもしています。




エフピコグループ ダックス四国
障がい者雇用責任者 且田久美さん
「5,490枚、(目標まで)あと10枚足りない。
あとたった10枚なんだけど、トレーにしたらこれくらいよね、重ねたら。
たった10枚だけど、これは目標達成といえますか、いえませんか。」

「いえません。」

エフピコグループ ダックス四国 障がい者雇用責任者 且田久美さん
「いえませんね。
仮にあと1枚でもいえません。」

障害者だからといって過剰な配慮はしない。
それは障害者の意欲をそぐことだと考えているからです。

エフピコグループ ダックス四国 障がい者雇用責任者 且田久美さん
「厳しい?会社。」

「まぁ当たり前のことやから。
どこにいっても厳しいのは分かっとるから。」

エフピコグループ ダックス四国 障がい者雇用責任者 且田久美さん
「よく頑張ってくれているメンバーの一人ですね。」

あらゆる人材を戦力に 変わる雇用の現場

●過剰な配慮をしないのは大切なこと?


そうだと思います。
厳しいとお感じになるかもしれませんけれども、やっぱり人は誰しも伸びていきたいという気持ちはあると思うんですね。
それは私たちでも障害のある方でも同じというふうにお考えなんだと思うんですね。
ですので、自分自身が伸びていく力を実感するためにも、目標設定というのは必ず大切なことだと思います。
私がかつてやったアンケート調査でも、戦力化している会社は、目標設定をしてそれをきちんと評価して、フィードバックをしていました。

●総菜屋の例、事業所で訓練を積んだあと正社員になる道も このシステムをどう見る?

非常に上手に国の制度を使って、障害者の方を育成しているなというふうに感じました。
A型の事業というのは、継続的に長期的な視点で訓練をしていけるということになります。
それで、このお総菜会社がやってる仕事をそのまま、一部分ですけど、そのままA型の事業所でやることによって、将来のステップアップとして、もし親会社、お総菜会社で雇用されるとすれば、そこでの訓練が生きてくるということになりますので、OJT=オン・ザ・ジョブ・トレーニングになっていると思いますし、また訓練コストを国が負担してくれるというところは非常に企業にとってはメリットがあるんじゃないかなというふうに思いますけど。
(悪用の例も出ているが、そこはチェックが必要?)
そうですね。
周りにいる私たちがしっかりと見ていかなくちゃいけませんし、厚生労働省のほうも報酬改定で、あまりに利用が短時間ですとか、そうしたことに対してはチェックを入れるようになってきています。

●障害者が活躍し能力を伸ばしていく会社になることは、会社をどのように変えていく?

人の適材適所を見極めるということは、多様な人たちと共に働いていくときにそうした対応力を上げていくことになると思うんです。
つまり、マネージメント力が上がることだと思うんです。



ソフトバンク・フレームワークス株式会社 コミュニケーションデバイス部 課長 池田 勝さん 安本 和史さん

ソフトバンクグループのIT製品の物流、倉庫機能を担うソフトバンクフレームワークス。
障がい者雇用の拠点となる千葉県柏の入出荷センターでは約14%の障がい者が働いています。全体の障がい者雇用率も2・8%。特例子会社ではないそうです。
これは訪問するしかありません!

おおつか:みなさんものすごくイキイキとお仕事されてますね。
池田さん:ありがとうございます。障がい者従業員も楽しそうですが、私たちも毎日が楽しくて仕方ありません。
おおつか:もともと障がい者と関わったご経験があったのですか?
池田さん:(大きな声で)いいえっ!別次元の問題だと思っていました。

おおつか:それがなぜ?
池田さん:突然部長に会議室に呼ばれました。「新しく展開することがあるので手伝ってほしい」と。
おおつか:それが、障がい者雇用のプロジェクトだったと?
池田さん:はい。2009年10月のことでした。当時は法定雇用率を満たしておらず5~6人の障がい者を雇用することが私のミッションでした。私の知らないところで採用する障がい者も決まっていきました。

おおつか:部長から言われたというだけではこんなに素敵な職場は作れないのでは?
池田さん:スイッチが入ったのは、その1年半後の2010年の3月です。日本理化学工業の見学会に参加しました。
すごく衝撃を受けました。作業環境を工夫すれば、彼ら(障がい者)はもっともっと戦力化できるんだと。

おおつか:そこから大きく変わったのですね。
池田さん:そうです。法定雇用率にこだわらず、もっとたくさんの障がい者を雇用すべきだとTwitter経由で部長・社長に訴えました。
おおつか:すごいですね。でもどうやって説得したんのですか?
池田さん:社長にATARIMAEプロジェクトのMONKEY MAJIKの動画を見てもらいました。
おおつか:そうしたら?
池田さん:社長は「なんでこの動画にウチの社員がいないんだ」と言いました。「つまりもっともっとやれ!」という意味です。
おおつか:やった!

お仕事の模様を拝見しました。
ご案内してくださるのは現場責任者の安本 和史さんです。



ソフトバンク関連の販促資材のセッティングの仕事です。

視覚的に理解できるよう、マニュアルも用意されています。

安本さん:マニュアルを使ったのは最初だけです。どんどんできるようになって今はマニュアルはほとんど使いませんが。

こちらは、製品を出荷するための準備工程のひとつ。
大量の箱を用意します。まっすぐに倒れないように積み上げるにはワザが必要です。
暑い中、ものすごいスピードで作業が行われています。

携帯電話のACアダプター分別のお仕事。

スタッフたちと普通に、ナチュラルに、あたりまえに接している安本さん。
まさに「一緒にはたらく同僚」そのものです。
おおつか:ものすご~く普通に接していますね。
安本さん:自然体で接することしかできないんです。ダメなときはダメだと叱ります。うまくいった時は一緒に喜びあいます。
おおつか:安本さんがこの仕事に惹かれた理由は何ですか
安本さん:彼らはオープンでストレートです。自分が本気でぶつからなければ見透かされます。そして障がい者スタッフを戦力化することは彼らのためになるけれど、同時に自分も成長できる。いわゆる建前で障がい者雇用をやっているのではないところにやりがいを感じます。
おおつか:かっこいい!これからもがんばってください!

おおつか:今後のビジョンを教えてください
池田さん:現在雇用している障がい者スタッフのさらなる戦力化と重度障がい者の採用、あと10名くらいはここ(柏の物流センター)で雇用を増やしたいと思っています。
おおつか:すばらしい!ぜひ実現させてください。

おまけ:社員研修のときの夕食会のときの写真です。みんなで一緒に学び、楽しむ時間も大切にしています。

今回同行したのは・・・
サマーインターンの井上です。
私は、今回障がいがある方が働いていていらっしゃる職場というものを初めて自分の目で見てきました。
訪問させていただき一番、印象的だったのは、障がいのある方々とそうでない方々が共に働いているということが当たり前という雰囲気でした。
どの方も笑顔で働いていらっしゃり、今後このような会社がもっともっと増えればいいなと感じました。


~おおつかのひとりごと~

「きれいごとで障がい者雇用をやっているんじゃないからやりがいがある」「障がい者スタッフを戦力化するのは、障がい者のためにもなるし、自分も成長できる」という安本さんのコメントが印象的でした。障がい者雇用の現場というとどちらかというとオトナの方々へインタビューすることの多いおおつか。安本さんのような素敵な若者(←表現が年寄りくさい)がバリバリ結果を出してくれていることに感動したのでした。



障がい者を戦力化するためには、期待し、責任のある仕事をしてもらうこと

お好み焼きこなこな 代表 小田 敏行さん

静岡県浜松市といえば、ヤマハ、鈴木自動車、うなぎで有名。
そんな浜松には、23年2月にオープンした、カップルにもファミリーにも人気の
「お好み焼きこなこな」というお店があります。
そんな本場関西の味を味わえる本格お好み焼きの人気店で、障がい者が働いている
ことを知っている人は、実は地元の人でもあまりいないとか。

「こなこな」の看板、のれんがいい感じで、テンションがあがります。 おじゃましま~す!

お伺いしたのは開店前の11時前。 開店前なので、当然お客様はまだです。
ですが、この日すでに鉄板の上にはお好み焼きが。
ご予約のお好み焼きなんだそうです。
ジュウジュウという音、香ばしい香り、立ち上る湯気。 文句なく、おいしそうです!!

お好み焼きを焼く担当は、その店の評価を決める最重要なポジション。
花形の仕事。 もちろん障がいのあるスタッフたちです。

代表の小田さんにお話をうかがいます。
実は、小田さん、こなこなを開業する前はパソコンスクールの会社の社長さんでした。
180度の大転身です。 が、今はどこから見てもお好み焼きやのおじちゃん。
(小田さんごめんなさい)。

おおつか:どうして障がいのあるスタッフとお好み焼きを?
小田さん:障がい者と一緒に働くのはかねてからの私の夢でした。お好み焼きやを選んだのは、私の出身が関西だったからです。本場のお好み焼きを浜松の方にも知っていただきたいという理由です。素人でしたので、この店を開店する前には、きちんと大阪のお好み焼きの専門学校で修業しました。
おおつか:障がいのあるスタッフはどんな仕事を?
小田さん:基本的に全部です。知的、精神、身体のいろんな障がいのスタッフがおりますので、適材適所でやっています。

仕込みも洗浄も。
オーダーも完璧にこなせます。 ものすごく自然。しかも好感が持てる素敵な接客。

そしてレジも 笑顔が素敵です。

一見さんには、スタッフの中に障がい者がいるとは全く気付かないでしょう。
<お客様から見えない場所には、いろいろマニュアルが張ってあります>

① 洗いものマニュアル
②冷蔵庫の中
③レシピ
④かたづけ これを見ながらやれば間違いはありません。

小田さん:最初のころはもっとたくさん張ってありました(笑)だいぶ減ったんですよ。
おおつか:障がいのあるスタッフと働いて、最も予想外だったことは何ですか?
小田さん:精神障がいのあるスタッフが予想より欠勤しなかったこと、退職しなかったことです。
おおつか:もっと欠勤が多いと思っていた?
小田さん:福祉関係の知人たちからはそのように言われてましたので。
おおつか:なんで欠勤率が低いのでしょうか?ぜんぶお客様から見える場所でのお仕事はけっこうなストレスですよね。
小田さん:ストレスはけっこうあると思います。でも休まない。
「期待されている」「責任がある仕事」ということが理由のように思います。
おおつか:それ以外の予想外は?
小田さん:思う以上に仕事を頑張ってくれていると。でもこれは予想通り、期待通りです。

ちなみに、おおつかが注文したお好み焼きは「もちーず明太子」。
スタッフの焼いてくれたお好み焼きを、テーブルの鉄板の上でアツアツのまま頂くのです。
(自分でソースとマヨネーズをかけたので、ちょっとカッコ悪いですけど、味は抜群)
ソース、青のり、鰹節粉など、お好み焼きに欠かせないトッピング。
ちなみに神戸のソースメーカーから直接仕入れている特製のものだそう。
ピリ辛ソースがものすごく美味。


~おおつかのひとりごと~

小田さんとのご縁は今から9年前。知的障がい者の親として地域で活動に参加するうち、「障がい者雇用を作る」という夢に出会ったそう。
夢を抱く人は多いが、実現させる人は多くない。小田さんは、当時FVPで主催する福祉起業家経営塾の2期生として、浜松から計10回のセミナーのため毎回新幹線で通ってこられた。
その当時抱いていた夢が、セミナーで計画となり、その後に現実になった。9年たってお店にうかがい、障がい者と働く小田さんに再会し、念願のお好み焼きを食べることができた。
11名の障がいのあるスタッフが地域で働き、地域で暮らしていく拠点を作られた小田さんの情熱の味のするお好み焼きの味だった。







障がいをお持ちの当事者&ご家族からの相談窓口






風 蘭




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